厚みがある肉を焼いると、ごちそうが目の前にある気分になって、食べる前からテンションが上がってしまいます。
ところで、厚みがある肉の焼き方はご存知ですか?下ごしらえや焼き方などを工夫して、ジューシーで柔らかい絶妙な焼き具合を目指しましょう。
おいしい肉とは

厚みがある肉をおいしく食べるには、ジューシーで食べやすい状態であることが重要です。火が入り過ぎて、固くてパサついた状態だと肉の旨さが感じにくいです。
また、柔らかくても筋があると、噛み切れずに口の中に残り続けてしまいます。
おいしく肉を焼くには、事前の準備と絶妙な火加減のコントロールが欠かせません。
おいしい肉の焼き方その1:肉を常温にする

まずは、冷蔵庫から肉を出して常温にしましょう。
直前まで冷蔵庫に入っていた肉は、冷たいままの状態です。 そのまま、すぐに焼くと外側と中心部で温度差が発生してしまいます。
冷たい状態で焼くと、外側は焦げ目がついておいしそうな見た目なのに、切って見たら中が生…なんでことが起こるかもしれません。
肉を外に出す時間の目安は、とりあえず15~30分程と思っておきましょう。
室温や肉の厚みによって細かい条件は変わってきますが、冷たい状態が緩和されればとりあえずはOK。肉を見たり触ったりしながら、時間を調整して常温に戻してください。
おいしい肉の焼き方その2: 下ごしらえ

肉が食べやすくて柔らかくなる工夫をする
赤身と脂身の間にあるスジに、何か所か切れ込みを入れて食べやすくします 。
赤身と脂身では加熱時の縮み具合が違うので、何もしないと肉が反り返ってしまいます。肉が厚い場合は、ひっくり返して両側から切れ込みを入れてきましょう。
ただし、切れ込みを入れ過ぎるとそこから旨味が逃げてしまいます。肉のサイズにもよりますが、切り口が5か所以内で納まるようにしてください。
より柔らかい仕上がりを目指す場合には、肉叩きなどで全体を叩いたりフォークでまんべんなく刺したりして肉の繊維を壊していきます。
タレに漬けてから焼く場合には、味が染み込みやすくなるので一石二鳥です。
肉の厚みを整える
厚みにバラつきがあるときは、叩いたり切れ込みを入れたりして同じ位になるようにします。厚みに違いがあると、火の入り方にムラができてしまうからです。
また、肉を焼くときには、赤身と脂身などの白い部分のバランスを見て厚みを変えたほうがいいです。赤身と白い部分は、火の入り方が違います。
脂身などが多い箇所を、赤身よりも薄くしてから焼くと、程よい仕上がりになります。
下味をしっかりつける
焼く前には、塩を振ってから数分間おいて肉になじませます。少し置くことによって、肉から余計な水分が出ておいしさが増します。
直前に塩を振る焼き方もありますが、気を付けないと塩が焦げたり塩気にムラがでたりする可能性があります。
その点、数分間置く場合は、塩の固まりが溶けて全体になじむので、塩が焦げにくくて味も均一になりやすいです。
なので、簡単においしく焼く方法としては、数分間置く方をおすすめします。肉から出た水分は、焼く前にキッチンペーパーで拭きとりましょう。
おいしい肉の焼き方その3: 強火と弱火を使い分ける

最初は強火で焦げ目をつける!
下ごしらえができたら、いよいよ焼きです。
まずは、フライパンをしっかりと温めます。フライパンが温まっていないと、肉を置いたときに短時間で表面に火が入りません。
その場合、焼けていない表面から肉汁が出ていってしまうので、フライパンは十分に熱した状態にしてください。
肉を焼くときには、焦げ目がつくように強火でしっかりと焼きます。焦げ目ができることで、見た目がよくなるのに加えて香ばしさが引き立ちます。
火が通りにくい脂肪などの白い部分は、トングやフライ返しで押し付けて焼き色をつけていきましょう。
肉に厚みがある場合、両面に焦げ目がつくまでしっかり焼くと、食べにくいと感じるくらい固くなってしまうかもしれません。
なので、片側だけにしっかりと焦げ目をつけるように焼くと、柔らかく仕上がりやすいです。
弱火でじっくりと中心に火を通す
厚みがある肉は、表面を焼いたあとは弱火にして火を通していきます。加熱しすぎると水分が抜けて固くなるので、じっくりと中心部に火を入れるようにして様子を伺います。
厚みによっては、何度かひっくり返して、片側に熱が集中しないようにしましょう。
この焼き方が上手にできるようになると、脂肪が少ない鳥ムネ肉などを柔らかくジューシーに食べることができます。火が丁度入ったくらいのタイミングは、肉汁が逃げ出さずに留まっている状態です。
なので、普通に焼くと固くなりやすい部位の肉でも、肉汁を感じながらおいしく食べることができます。
肉の生焼けには要注意!食中毒の危険あり
肉を焼くときには、十分に火が入っているかを必ず確認してください。
牛肉は、中心部がレアの状態でも、鮮度によってはそのまま食べることができる肉です。しかし、豚肉や鳥肉は、生だと菌や寄生虫による食中毒の危険性があるので十分に注意しなければなりません。
なので、中心部が生っぽい場合には、絶対に食べないでください。
加熱状態の確認方法として、はしで押してみるのがシンプルでわかりやすいです。生だと、ぐにゃっと柔らかい感触になります。
押してもあまりへこまない状態になっていらば、結構いい所まできています。
肉を上手に焼いてみよう

肉を上手に焼くには、下ごしらえと火加減の2つが重要です。ただ焼くだけと考えないで、手間がかかる料理と思っていれば意外と肉がうまく焼けるかも。
肉の断面を見たときに、絶妙な仕上がりになっていたら、食べる前からにやりと笑顔になってしまいますよ。